「やっばーい!遅刻遅刻ー!!!!」

その時、亜樹奈さんが猛ダッシュで階段を降りてきた。

「おはよみんな!田中さん、トースト焼いといて!」

「はい。」

亜樹奈さんは家政婦さんに頼み、椅子に座ると、お化粧をし始めた。

「亜樹奈、ちゃんと目ざましはセットしたの?」

「したけどなんか鳴らなくてさー…」

夫人の質問に答えつつ、亜樹奈さんはファンデーションをさっさと塗り、アイシャドウを塗り始めた。1分もたたないうちにほとんどメイクを仕上げた。

「アッキーナ、帰り迎えに行ってやろうか?」

次男の一言に亜樹奈さんは喜んだ。

「マジでえ?!やったあ!なんで?!」

「昨日俺酔っ払って大変だっただろ?そのお詫びとして。」

「やったあ!あ、できた?ありがと。じゃあ校門で待ってるねー!!行ってきまーす!」

亜樹奈さんはパンをくわえて派手なサブバックを持ってバタバタして行ってしまった。

慌ただしいな。

そして主が来たので庭に出た。