惚れて、堕として、もっとして

私は一言言い彼のベッドから布団を奪い、ご飯を作ろうとキッチンへ向かう。
「すず…TKGにして…」
「てぃ、てぃーけーじー?」
流行ごとに疎い私は何を言われてるのか分からなくて…もう一度繰り返してしまった。
「卵かけご飯のこと」
「あ!そうなんだ…っわ、分かった」
恵くんからのリクエストを受けた私はルンルン気分で冷蔵庫を開く。
そこで思わぬことに気づく。
「ど、どうしよ…恵くん卵ないよ…」
寝室にも聞こえる声で言ったから彼にも届いてるはず。
「えーっ」
案の定聞こえていたらしく彼の声が返ってきた。
「すずんちに卵ないの?」
「わ、わかんないけど」
「今から行ったら間に合わないって?」
「…だっ!だって…もう学校出るまで10分しかないんだよ。」
行けると思うけど…恵くんといるこの時間を無駄にしたくない…
「じゃ、メープルパンね?」
仕方ないなって感じで恵くんが改めてリクエストをくれたことにほっとする。
「明日はTKGにしようね…っ!」