「よし、悩んでてもしょうがないし、これさっさと写して帰ろう」




亜紀はようやく先端恐怖症の影から脱出出来たらしく、手を動かし始めた。




そのいきなり飛び出した明るい声に私が今やらなければならないことを思い出す。




亜紀は先端恐怖症という病を抱えながらもプリントを写す作業をしっかりこなしている。




私も頭の中でどんなに韓流スターが爽やかな笑顔で笑いを誘ってきても、その作業をこなす義務がある。




手を動かしながら、私は自分自身を無力感が包んでいくのを感じた。




こんなくだらない日常、夢がなきゃ耐えられない。




そんなぎりぎりの所に立っている私を神様はどん底に突き落とした。