明暗フェイス

「本当、どうしたん?」




恐怖に顔を歪めた亜紀の表情に私は、ただただ頭にクエスチョンマークが浮かぶばかりだ。




「・・・私、先端恐怖症になったみたいで」




亜紀が暗い表情のまま、私が落としたシャーペンの先端に目を落とし呟く。




「はぁ?何それ、何で!?」



私は、亜紀との会話で、今年一番と思われるリアクションをした。




私の好奇心を埋めるべく、亜紀が青ざめた顔で力無く事の成り行きを話し始めた。