翔に手を引かれ、結衣は歩いていく。翔の隣にいたいという気持ちがあった。気持ちが落ち着くまでは、彼の隣で過ごしていたい。そんな思いから勧められたカクテルを飲み、酔っ払った体を彼に預けたのだ。



「ん……」

目が覚めた時、見知らぬ天井に一気に結衣は目を覚まして起き上がる。しかし、腰に激痛が走ってすぐにその動きは止まった。

「ううっ……。何でこんなに痛いの?」

よく見ると、自分は裸でベッドに寝ていたようだ。そして隣には同じく裸の翔がいる。酔った勢いとはいえ、とんでもないことをしてしまった。

「う、嘘……」

きっと、壱成に振られた悲しみから自分から迫ったに違いない。結衣の体は小刻みに震え、ベッドから離れようとする。しかし、翔の腕がしっかりと結衣を捕まえて抱き寄せた。

「結衣ちゃん、今日は休日だしゆっくりしていいよ?」

「翔くん、ごめんなさい。私……最低なことを……」

とんでもない過ちをしてしまったというのに、翔は優しく頭を撫でてくれる。結衣が泣きそうになりながら謝ると、翔は結衣を離して自分の方へ体を向かせた。