明日にかける橋

「だって、やっぱり怖いのよ。壊れかけた橋なんて。誰もが強いわけじゃないもの。弱くて臆病な人間だって、たくさん、たくさんいるのよ。そうでしょう。」
「それでも渡るんだよ。絶対に渡ろうと、強く思いさえしたら、そう思うことさえできたなら、どんなにボロボロの橋だって、決して壊れたりはしないのだから。」
「でもね。」
 おじいさんは、力をこめて続けます。
「それでも怖いと思うなら、私が橋を直してあげる。これでも私は、橋作りの名人だからね。でもそれは、仮の橋なんだよ。私がどんなに丈夫な橋を作っても、それはにせものだ。本物の橋は、君にしか作れない。だって橋は、その人の夢や希望でできているんだからね。」
「でも・・・。」
 彼女は、まだ心細そうに、小さな声でたずねました。