桜色オレンジ




「それから?」

「この間早退した日…」


ここまで言っちゃったけど、どうしよう。
言っていいのかな?


わたしが俯いた瞬間


「……しまだろ」


と桜庭くんが言った。


「…知って……!?」

「インターフォンの履歴に残ってた」

「…ごめんなさい」

「なんで椎名が謝んの?」


それは、わたしが…。
何となくこの話になった時から桜庭くんの表情が怖くて、言葉が上手く出ない。


「椎名、場所変えよ」


そう言って桜庭くんはわたしの手を掴み教室から出た。
以前と変わらず桜庭くんの手は冷たかった。






連れてこられたのは普段使われていない談話室。


「で、なんで椎名が謝んの?」

「それは…」

「それは?」