次の日、遅れて桜庭くんが登校してきた。


「桜庭…!!大丈夫なのか!?」

「ん、もう平気」


桜庭くんの周りにはたくさんの人が集まっている。
すぐ隣の席だけど、わたしが話しかける隙なんてない。

奏橙くんに頼まれてたこと伝えたいんだけどな…。


結局朝のHRが終わるまで桜庭くんに話しかけられるチャンスはなかった。


「椎名、おはよ。この間は色々とありがと」

「っ、おは…ヨウゴザイマス。」


急に話しかけられて、カタコトになってしまった。


「あはは、椎名ウケるんだけど。どうしたし」

「…ヘンだね、わたし」


昨日の事があってあまり寝れていないから…かも。
いや、そういう事にしておこう。


「ねぇ、椎名昨日あんま寝てないっしょ?」