「…ごめんなさい。」


奏橙くんと付き合っている事が両親に知られた時、酷く暴力を受けた。

紫花が、『私奏くんの事が好きだったんだけど桃ちゃんと付き合ってるから振られちゃった』って大泣きしたから。


『なんで紫花が好きと言ってるのに渡さないんだ 』って殴られ蹴られ、ご飯抜きになったこともある。



だから本当は今こうして話しているのもバレたら何されるか分からない。



「…ごめんね僕しつこいね。でも、諦められないんだ。
幼い頃からずっと、ずっと好きだったから。」

「わたしの方こそごめんなさい。」


気まずい雰囲気に耐えられず、わたしは走って家に帰った。
胸が凄く苦しい。


わたしなんか、居なければよかったのに。