……しまさんを無事に回避したと思ったら、まさか家の前に奏橙くんが居るだなんて。


「…奏橙くん、どうしたの?」

「桃花ちゃんを待ってたんだ。話がしたくて」


正直、奏橙くんと2人になるのは嫌だ。
しかも家の前で、だなんて。


「場所、変えよう?」


やって来たのは昔よく遊んだ公園。
わたしと、紫花と、奏橙くんの3人で集まってた場所。



「奏橙くん、話って?」

「……、紫花ちゃんが最近桃花ちゃんが全然会いに来てくれないって」

「…そう。」


冷たい妹を持つ可哀想な姉を演じたいだけだ。
わたしが欲しいもの、全部持っていくくせに。


「……僕、やっぱり桃花ちゃんが好きだよ。やり直せないかな?」