やっぱり、桜庭くん彼女いたんだ…。
まだ携帯はなり続けている。どうしたらいいんだろう。



「…うるさ」


目を閉じたまま、桜庭くんが口を開いた。



「っ、桜庭くん起きて…」


「…スマホがうるさくて起きた」


「…っそっか」


「どうせアオイだろ」



"あおい"



桜庭くんはそう言った。



「……それって」


「男だよ、中学の時のダチ。」



わたしが聞こうとしていたことが分かったのか、遮られた。
それと同時にホッとしている自分がいた。



「電話、出なくていいの?」


「どーせしまの事だからいーよ。」


「どうして、しまさん…?」


「アオイ、しまと同じ高校なんだよ」