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─── 次の日



「…っ、桜庭くん」


「あ、おはよ、椎名」



学校についてすぐ、下駄箱で桜庭くんに会ってしまった。
昨日のこと色々思い出して少し恥ずかしくなった。



「椎名顔赤くね?……熱?」


「…、大丈夫だから、離れてっ」


「そう?ならいいけどさ」



桜庭くんは上履きに履き替えて歩き出した。
わたしも後を追うように教室に向かった。



「…桜庭くん、ほんとうにやめるの?」


「うん、だから椎名に渡したんじゃん」


「どうして急にやめようと思ったの?」


「……けんこーのため?」



けんこーって"健康"ってことかな?
未成年だし元々吸っちゃだめなものだけど…。



「でもなんでわたしに渡したの?」


「家に置いておくと、吸いたくなっちゃうじゃん?
目の前に好きな食べ物があるのに食べちゃいけませんって言われてるのと同じだよ」