「さ、桜庭くんが優しいと何か、ヘン。」


「ヘンってなんだよ、失礼な」


「そう、桜庭くんはそんな感じの口の悪い方がいいよ
桜庭くんが優しいと、ヘンだよ、みんなを騙してるくせに」


「騙してねぇって…。おれさ、」



さっきまでの優しい表情から一変、険しい表情になった。
あれ、もしかしてわたし傷付けた…?



「おれね、双子の妹がいるんだけどさ」


「え…うん」


予想外の話に思わず躊躇ってしまう。
きっと、これから聞くことは桜庭くんにとってはとても大事なこと…なはず。



「その双子の妹とは、父親が違うんだよね。おれは母親の元彼の子供。うちの両親お見合い結婚だったらしくて、父親と結婚する前に付き合ってた人が居たんだよ」


「…うん」