桜色オレンジ





「オレンジジュース、飲める?」


「え、う、うん。」


「はい、じゃあこれあげる……、ってか腹痛いの治った?」


「!あ、うん、女の子特有のやつで、あっためて仮眠とったら良くなったよ」



そうだ、心配してくれたのにお礼言えなかったこと、ちゃんと伝えなきゃ…!!




「女子特有…?あぁ、アレね。じゃあ温かい飲み物の方がいいか」



そう言ってベンチに座ろうとしたのに桜庭くんがまた立ち上がる。



「い、いいの!オレンジジュース、もらう…ね。
ていうか、これ見たことないやつだ……」


「そう?これね、おれが昔から好きなやつなんだ。
果汁100%でめっちゃ味濃いやつなんだよ。」



桜庭くんなんだか嬉しそう。よっぽど好きなのかな?