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「では皆さんクジが引けたと思うので、黒板に提示されている数字を確認して席の移動をお願いします。」



桜庭くんの声掛けと共に一斉に立ち上がる。
わたしは窓側の1番後ろの席だった。



「うわぁ、桃花と離れた!」


「あらら、残念…」



クミちゃんはちょうど教室のど真ん中の席になったらしい。近くもなく遠くもない、微妙なところ。




「おっ、カワイー子の隣とかラッキー♪」



窓の外をボーッと見つめていると不意に後ろから声がした。



"カワイー子"って、誰のことだろう?
周りをキョロキョロしてみるけど、わたしの前も、斜め前も男の子が座っている。



「っ、ぶはは、カワイー子って椎名さんのことだったんだけどな。オモシロイねー」



「えっ、わたし…ですか?」


わたしの隣に机を持ってきた男の子はお腹を抱えながら涙を流して笑っている。わたしそんな変なことしたかな…?