「……っ、」


急に胸が苦しくなり、上手く呼吸が出来ない。
落ち着け、落ち着け。


「桃ちゃん────」


紫花が何かを言ってるけど、聞こえなかった。



「椎名……!!」



桜庭くんがわたしを呼ぶ声がしたけど、返事が出来ないまま意識を手放した。





*






*





「……な」
「…いな!」
「……椎名…!!」



わたしを呼んでいるのは、だれ?





「椎名…!?」

「さくら…ばくん?」


目を覚ますとわたしはベッドの上にいた。
どうやらわたしは倒れてしまったみたい。


「椎名、大丈夫か?」

「…うん」

「ごめん、椎名が倒れたあと櫻はその場に立ち尽くして動かなかったからおれがここまで運んだ」

「ありが……」



まさか桜庭くんに運んでもらうなんて…!!