「紫花ちゃん、桃花ちゃんに会いたがってたよ」

「…そう」


紫花より先に両親が奏橙くんが南高に通っていることを知り、「お前がなにか言ったんだろう!」と怒られた。


それから奏橙くんとも関わらないようにしろ、とも。


だからなるべく奏橙くんとは関わらないようにしてたのに。
高校2年生になってクラスが別になった後くらいから、奏橙くんからより戻して欲しいと言われるようになった。


あんな別れ方をしたのに、ヨリを戻すなんてむり。
お互い嫌な気持ちになるだけだ。


「自分勝手だって分かってる、だけど諦められないんだ。
やっぱり桃花ちゃんが好きなんだ……!」


奏橙くんをほんきで忘れなきゃいけないそんな時に出会ったのが、桜庭くんだった。