「もういい、わたし教室戻る」


「ちょ、待てって」


「まだ何かあ…っん」


教室に戻ろうとしたのに急に腕を掴まれたと思ったらそのまま壁に押し付けられて、唇に柔らかいものが触れた。



「、ちょ…さくら……っばくん」


抵抗しようとしても手首を掴まれてしまった。
男の子に力では勝てないと、改めて自覚した。



「んっ…や、めて」


呼吸する隙も与えてくれないくらいキスが降ってくる。
角度を変えて、何度も。



軽く上唇を啄んだあとやっと、唇が離れた。



「顔、真っ赤。」


「う、るさい……なんで、またキスしたの」


「煙草、見つかった時椎名なら別にいいかなって思ったんだよね。なんでか分からないけど」


「……っは、え、なに急に」


「とりあえず2度目の口止めってコトで」



まさか2回も桜庭くんとキスするなんて…。
早く桜庭くんから逃げたくて、掴まれていた腕を振りほどいて教室に向かった。