どうしていいのか分からず、とりあえず山を登る事にした。
に、しても...。
『キツい!疲れたぁ...。』
屋敷を飛び出しそこからずっと走っていたので体はヘトヘト。
もう、帰ってしまおうか。
二人共居ないし。
諦めて踵を返そうとした時道がひらけた場所に着いた。
大きな鳥居があり、辺りには赤い彼岸花が咲き誇っている。
『...わぁ...。』
鳥居には、三ツ橋神社と書かれていた。
『三ツ橋村と、同じ名前...。』
鳥居を潜り石畳を歩く。
赤い彼岸花が風に揺られ、ヒラヒラと花びらが舞う。
(( シャラン...
『...鈴の音?』
?「おい!何してる!」
鈴の音が聞こえ、高すぎず、低すぎず、そんな声が聞こえた。
長くはない髪の毛を後ろで束ねた、和風な服を着た男の子?がいる。
身長は私と同じくらい...かな、女の子かもしれない。
顔には奇妙な布をしていて見えない。
どこか不思議な雰囲気をしている子。
私がその子を凝視していると男の子は声を荒らげる。
?「帰れ!ココはお前みたいなのが来る所じゃない!」
な、なんなのこいつ!
私は後ろを向き、鳥居をくぐる。
来た道を歩きながらため息をついた。
『なんなのあいつ、会っていきなりあんなふうに...。あんな言い方しなくて良くない!?』
辺りはオレンジ色に染まっていて、私は足を早めた。
『...暗くなる前に帰ろう。』
ふと、見上げると先程の三ツ橋神社と書かれた鳥居があった。
『...?あれ、山道下ってたのに。』
ついさっきまで居たあの神社についてしまった。
何処かで道間違えたかな...。
私はもう一度山をくだる。
でもおかしいな。
一本道だし、たしかに降りていたはずなのに。
辺りはもう暗くなってきている。
『...早く帰らないと...、っ!』
またあの鳥居に着いてしまった。
『な、なんで!』
?「おい、まだうろついていたのか。」
私は首を振る。
『違う、帰れないの!』