-あの大きく光り輝く月のような君とまたどこかで出会えたら-

ザーーザーー

海が今日も輝いている。

太陽が暑い。

ここは海に囲まれた小さな町。アイスをくわえていつもの海沿いを歩く。

「はあ、今日も小テストか…」

私は小泉ハルネ。高校2年生。この町に生まれた時から暮らしてる。この町は隣町から越してくる人が多い。でも私はこの町で生まれてこの町で育った。 学校では毎日の様に転校生が来るなんてこともある。
幼なじみも居たけどみんな遠い所に引っ越してしまった。だからこの町にいる友達も少ない。
私もみんなと一緒の高校に行きたかった。だけどこの町が好きだから離れたくはなかった。

キーンコーンカーンコーン

「おーい席つけー始めるぞー」

「起立。礼。着席」

「はーいじゃあ昨日出てた古文の課題後ろから集めろー」

「え!?古文の課題!?」

「由希!由希!古文の課題やった?」

「え?うん。どうせあんたはやってないんでしょ〜」

倉本由希。高一の時、隣町から越してきた私の唯一の友達。

「由希毎度助かるよ〜」

「でも今やっても間に合わなくない?先生に言ってきなよ」

「え〜、また怒られるじゃん。」

「自業自得!ほら!行った行った!」

「あのー橋本先生?また課題やりそびれた!」

「小泉お前何回目だ?次やったら補習だかんな。また放課後までに持ってこいよ」

「はーいごめんね〜」

「ほんっとあんたって子は…」

「えへへごめんごめん」

「まあハルネらしいけどさ」

「私らしい?」

「ほらあんたってどんな教科の課題でもやってこないでしょ?去年の夏休みもどうよ?ナーンの課題もやらずに来たでしょ?」

「まあ…それは…」

「私の中でのハルネは課題をやらない女!みたいなイメージが執着してるの!」

「なによ失礼な!私だってやる時はやりますぅ!」

「見たことないけどね」

「うっ…」

「まあそれがハルネらしさってわけ!いい事じゃん!」

「内容の話ー!」