とりあえず、メモに書かれた品を選びカゴに入れていく。
すると曲がり角で女の人とぶつかってしまった。
「すみません！」
転んだ女性に慌てて声をかけるが、そのぶつかってしまった女性は今会ってはいけない人だった。
なんせ、イヤホンを耳に入れて音楽を聴いてるから。
「麗音……」
僕は慌ててイヤホンを外しポケットにしまった。
そして。僕はそっと手を差し伸べて麗音が起き上がるのを手伝う。
「ありがとう」
麗音は確かにそう言った。初めて麗音の声を聞いた。今まではノートかLINEだったから。
僕は思わず目を大きく見開いていると、麗音はすぐに携帯を取り出し僕にLINEをしてきた。
『ごめんね。ぶつかっちゃって。あと声、変だったよね』