「……いや、本当だ。今まで隠してて悪かったな」
「なんで?なんでよ……」
母は今度は涙を流しながら一生懸命に理由を聞いてるけど、父は何も言わずに家を出ていった。
母が泣いているのを僕は眺めることしか出来なかった。
その後のことはよく覚えてない。
確か次の日、僕の誕生日。父が離婚届を持ってもう一度、家に来て離婚届に色々書いてから、再び家を出ていった。
今思うと本当にクズな父親だったと思う。
同時に、そんな父の元から生まれた自分もクズだと思った。
でも、母はそんなことを僕に向かって一切口にしたことはなく。愚痴を吐くのはいつも仕事のことばかりで父のことは口にしなかった。
なんで、そんなに冷静でいられるのか逆に心配だった。


