数秒した後、玄関のドアがガチャりと開いた。中から出てきた人を見て僕は驚いてしまった。別に変わった容姿をしている訳でもなく普通に麗音に似ている、俗に言うイケメンだった。でも、僕は驚いてしまった。
「僕の顔に何かついてるかい?」
そう言われてハッと我に返った。
「あ、いえ。すみません。それと突然お邪魔してすみません……」
謝ると麗音のお父さんは麗音にそっくりの笑顔を浮かべて、
「いいんだよ。この家に僕以外の人が来るのはいつぶりだろうね。とりあえず、ここで話すのもなんだろうから上がるかい?」
僕は素直に首を縦に振り、中に入れてもらう事にした。