そう言って手をヒラヒラさせながら電車を降りた。着いてくる気は本当になかったらしい。疑われても仕方が無いとは思う。理由は単純に、智がそういう人間だからだ。
それから数分電車に揺られ目的地の横浜駅に着いた。
改札を出てからは携帯で節子先生に貰った住所を打ち込んで、出てきた地図を元に目的地である麗音のお父さんがいるという場所に向かう。携帯を連絡以外で初めて使うが最近の携帯はとても便利だと思う。そろそろ人工知能が人間に勝つんじゃないかと思うくらい。
いや、もう勝ってるかもしれない。
とりあえず携帯の指示通りに右へ行ったり左へ行ったりした。途中で手土産なんかを買ったりした。金が予想以上にかかったが仕方が無いし、バイトをするからその分はきちんと母に返そうと思う。
「ここか…」