「と……き、くん……っ」
無いに等しい力で、音季くんのシャツをクシャッとつかむと。
「真白ってさ、いつも俺の服とか握るよね」
「え、あっ、ごめんね。なんか手に力が入っちゃって……」
ほぼ無意識で、つかむのがクセになっていたのかも。
すぐに、パッと手を離そうとしたら。
「んじゃ、これからは、こーしよ」
スッとわたしの手を取って、指を絡めてつないできた。
わたしの手よりも、ずっと大きな男の子の手。
「俺と手つないだらいーじゃん」
「でも、ギュッて強くしちゃう……」
「いーよ。真白になら何されても」
「うっ、なんか言い方がちょっと……」
「ふっ……ほんとかわいーね。もっとかわいーとこ見せて」
こうやっていつもドキドキさせられて。
甘い言葉をいっぱい浴びせてきて。
どんどん音季くんのペースに乗せられるばかり。
*
試し読みはここまでとなっています……!
続きは9月25日発売予定の文庫にて読むことができます!
ぜひお手に取っていただけたらうれしいです!

