わがままで甘えたモード発動中の音季くんは、自分が満足するまで離してくれない。
音季くんの胸に飛び込むと、すっぽりわたしの身体を覆うように抱きしめ返してくれる。
「あー……。やっぱ、真白がそばにいると落ち着く」
大きくて、しっかりした男の子の身体。
こういうとき、ふと音季くんはわたしと違って男の子なんだって、あらためて意識しちゃう。
「……そーだ。今日教えてもらったこと――やってみる?」
授業では、実際に吸血行為はしないで、フリだったけど。
「真白の身体に負担かけないために、ベッドに寝かせるほうがいいんだっけ?」
「う、うん」
「でもさ、今みたいに身体密着したまま噛むのも好きなんだよね」
「へ……っ?」
ギュッと抱きしめたまま、ゆっくり優しく指先で首元をなぞって、噛むところをどこにしようか探ってるみたい。

