寮を出た付近では、あまり人はいなかったけど、校舎が近づくと人の数が増えてくる。
隣を歩いている音季くんは、まだしっかり目が覚めていないのか眠そうにあくびをしながら、わたしに寄りかかってくる。
「生徒の数すごく多いんだね」
「……うん、眠い」
あれれ。なんだか会話のキャッチボールが、うまくいってないような。
「俺、起きてるの苦手」
「えぇ……っ」
どうやら、音季くんも朝に弱いみたい。
校舎の中に入りクラスを確認。
学園側には契約してることを報告しているので、わたしと音季くんはもちろん同じクラス。
クラス内の生徒の割合は、わたしと音季くんみたいに契約してる生徒が少しと、あとは契約していない人間や吸血鬼が占めているみたい。
大きなホワイトボードに座席表が貼られていて、確認したら窓側のいちばん後ろの席。
わたしの隣は、もちろん音季くん。
しばらくして先生が教室に入ってきて、教室から場所を移動して入学式が行われた。

