甘えたいと甘やかしたい

「そうするだろうなって分かってたよ」

そう言って私の手からボストンバッグをとった

「…だって…」

「………」
目の前を歩くなぎちゃんについて行く

「ゆず、先リビングにいて」
ついて行くのを断られ、二階に上がっていってしまった

「…なぎちゃんの匂い好きなんだもん」
誰にいうでもなく1人で呟く

なぎちゃんが困ったかもしれないと思い悲しくなった

ソファの隅に座り、クッションを抱きしめた

なぎちゃんのクッションで南哉くんが触ると怒るのに私が抱きしめると何にもいわないやつ

「おまたせ」
ゆっくりめに帰ってきたなぎちゃんがカップを持って私の隣に座る

「なぎちゃん」
名前を呼んだはいいものの思ったよりも声が小さく聞こえたか不安になった

「ん?」

良かった…ちゃんと聞こえてた…

「困らせたなら…ゴメンね…」