甘えたいと甘やかしたい

「おわっ」
ガチャって扉が開いたからそっちに視線を向けたらなぎちゃんに引っ張られ、腕の中に閉じ込められてしまった

「渚、ゆずちゃんの休みは未桜が連絡入れてると思うんだけど、あんたも休むでしょ」

腕に閉じ込められている私に特に疑問を持たずになぎちゃんへ言葉を飛ばす仁奈ちゃん

声を出そうにもモゴモゴと意味の分からないことを言っているように聞こえてしまう

「うん、もちろん、あ、それとゆずうちで風呂入れていい?そっちの方が手間が減る」

「えぇ、いいけど…襲ったりしないでね?」

「…母さん!」
2人の会話をおとなしく聞いていたらなぎちゃんが焦ったような声を出した

「だって、その状況でさえ危ないからね。尚ちゃんと佑乃が見たらなんて言うか…」

尚人はなぎちゃんパパ、佑乃は私のお父さん

「うるさいな、佑乃さんに怒られるようなことしないし」

お父さんがなぎちゃんに怒っているところ見たことないけどな


「ゆずちゃん、渚になんかされそうになったら言ってね、付き合ってないのに手を出すやつなんかではないとおもうんだけど」

こくこくと頷く

ばって顔をあげたらなぎちゃんの顔が赤くなっていて文句が吹っ飛んでしまった

「………なぎちゃんって照れ屋さん…?」
風邪じゃないならそうとしか考えられない