「そんなことないよ」

「でも…西野くんが…」
だんだん声が小さくなってきて、なぎちゃんに届いたかは不明だ

「メル!柚葉に謝れ!落ち込ませたことは万死に値する!」
千絵が西野くんの頭をばしって叩きながら叫んだ

「いでっ、ちぃちゃん怪力なんだよ!」

あ、あのね!千絵と西野くんは幼なじみで…

「メル、ほっぺゆるゆるだよ…?」
かのちゃんが茶化すようなことを言った

ただの私だったら理解できないいまの会話も理解することができるの!

かのちゃんから聞いたんだけど、西野くんは千絵のことが好きなの!

いいよね~、好きな人、ちょっとだけ憧れる…

「あのね、柚葉ちゃん、………って俺のこと逃げない…?やった…!……………ごほんっ、渚の飲んだ飲み物飲んだと言うことは…間接キスしたってことでしょ!?」

………?
渚の“飲んだ”“飲み物”“飲んだ”………飲がたくさんある…!

「メル、ゆず違うところに疑問持ってるよ」

「なぎちゃん、まだ舌ヒリヒリする!」

「とうぶんは我慢だね、はい、チョコレート」
手にポンッと置かれたのは私もなぎちゃんも大好きなアーモンドチョコレート