甘えたいと甘やかしたい

ふっと耳から手を離す

「なんと、ここに来て、お題は“好きな人!一番大事な人!”です!」

好きな人…?

なぎちゃんの……?

「むとーちゃん!俺と来てくれない…?……!」
目の前に差し出された手のひら

「し、ばくん………?」

周りのさっきまでの悲鳴が嘘みたいに静まりかえっている

「ばーか」
そして、聞こえた大好きな声

「ゆずは渡さないよ、誰にもね」

「なぎちゃ………ん」
ニコってさっきひどいことを言った私に笑いかけてくれている

「ゆず、俺さぁ、可愛いって言おうとしたんだけど、なんで言葉さえぎるかな、悲しかった」

「うぅ…………ゴメンなさ………」
ポロポロと涙がこぼれてくる

「うん、ゆず、可愛いよ?全部、てかいつも可愛い」
ぎゅーって抱きしめてくれる

「っ………私、なぎちゃんに、かわい、ておもて…ほしかっ、た…の…だから、千絵に、たの…んで……ふっ…………う………」