「奈緒、もう大丈夫だから。」


と、俺が声をかけても聞こえていないのか不規則な呼吸音しか返ってこない



しばらく背中をさすってやりながら落ち着くのを待てば


「あ、あれ、、どうして社長がここに、?」



奈緒は自分が電話をかけてきたことを忘れているようだった




「お前から電話があったんだ」




「わ、私が……。ご迷惑をおかけしてほんとに申し訳ありません」




数日前よりも明らかに痩せている体を無理に動かして頭を下げる奈緒を見て、俺は



「っ、、、しゃ、しゃちょ、」



奈緒を抱きしめていた。