「すぅちゃんのお部屋行っていい?」
「うん、いいよ」
そう答えるすぅちゃんはなんだか涙目で。
でも執事さんやメイドさんがいっぱいいる中で聞くことはできなかったので、お部屋に戻ってから聞くことにした。
部屋に入ると、すぅちゃん専属のメイドさんの楓羽さんがいたので、お辞儀して、5分だけ2人にさせて、とお願いさせてもらった。
楓羽さんは、すごく大人っぽい見た目をしているけど、これでも私達と同い年らしくて。
今月までの半年間こちらで勉強させていただきます、と言ってた。
すぅちゃんのおうちよりもっとすごい、春崎グループからの出張だとか。
お部屋のすみっこにある、すぅちゃんお気に入りのすみれ色のソファに座ると、
すぅちゃんに抱きつく。
抱きついた瞬間、すぅちゃんが綺麗なその黒色の瞳から涙をこぼした。
私はすぅちゃんの膝に座って人差し指で涙をすくうけど、
止まることを知らないそれはとめどなく流れてきた。
「すぅちゃん、落ち着いたら話してくれる??」
首を少し傾げて聞いたらすぅちゃんはこくん、とうなずいてくれた。


