「着きましたよ」


「稔さん、ありがとうございます」




会釈をして、車から出るとすぅちゃんの大きいおうちが見える。



「美雨、私ちょっとお母さんと話してもいい?」

「うん、私も行く!!」



そう言って、すぅちゃんについていくと、怒っているすぅちゃんママがいた。



こんなの見たことない、怖い、と瞬時に思った。





「純麗、あなた最近遊んでばかりじゃない、きちんと勉強しているの?」

「すみません、お母様」

「きちんとしているかって聞いているの!!!あなたが何に励もうが勝手だけれど、あなたは姫野家の後継ぎなのよ??きちんと恥じない行いを徹底して───」


途中まで聞いていた私は、いたたまれなくなっちゃって、口を挟んだ。



「ちがうの、すぅちゃんママ…。私がすぅちゃんと遊びたくて…すぅちゃんを押し切って、無理にお願いしたから…ごめんなさい、外で遊ぶより、家で遊んだほうが勉強もできるし、教え合えると思って…。」




俯いていると、すぅちゃんママのため息が聞こえてきて…


やっぱりダメだったかなぁ…。



「分かったわ、怒ってごめんなさい。顔を上げて、美雨ちゃん」



その言葉に顔を上げて、すぅちゃんママを見ると困ったように笑っていた。



「美雨ちゃんの考えは分かったし、仲が良くていいことだと思うわ。遊んでもいいから、30分、勉強する時間を取ってくれないかな?」



「うん分かった、ありがとうすぅちゃんママ」


そう笑うと、「あとでカップケーキ持っていくわね」と言われた。