むぅ〜っ、と頬を膨らませてると
「美雨は彼氏とかいないの?」
今回も相変わらずビジュが最高な玲緒に話しかけられて。
「いや、いないどころか今まで1人も」
「は?それで?いや、ありえないわ…あぁでも、近づけないのかもしれないなぁ」
“ありえない”から先はゴニョゴニョ言っててわかんなかったけど、
“それで”ってどういうことだろ。
首を傾げていると、今日は玲緒に連れて来られたらしい、ことちゃんが目に入る。
まだ少しカメラさんとかが話してそうだったから小走りで近づく。
「こーとちゃんっ!!」
「わぁっ!!」
メイクや服装が崩れない程度に抱きつくと、ことちゃんは肩を震わせた。
「やっほー、元気?」
「うん、びっくりしたぁ、急に来るんだもん」
「えへへ、あのね、ことちゃんにお願いしたいことがあるんだけど…」
「え?いいよ、できる範囲なら何でもする!!」
「中3までの内容、4分の1くらい休んでたから、結構分かんなくて…」
ことちゃんは私より1つ年上の高校2年生で、全国、いや世界トップレベルの頭脳をもつ限られた人らしい、と玲緒から聞いた。
…しかも、玲緒も頭良いのにそれを越すくらいだとか。


