太陽 天音side

不意に声をかけられ声のしたところを見ると同じクラスの男子が私を心配そうに見つめていた。

「…宇宙君(そら)…何でここに」

泣いたせいで掠れた声で言うと、宇宙君は私の目の前まで来た。

「お前が苦しそうな顔で、屋上に行ったのが見えたから心配で見に来たんだ」

そう言い、ニカッと太陽のような眩しい笑みを浮かべる。私と彼はあまりというか、話したのは今日が初めて。彼は今まで学校をしばらく休んでいて、私がいじめにあっていることを知ったのはつい先週のこと。久しぶりに登校して目にしたのは、自分以外のクラスメイト全員が私だけをいじめている光景。彼はしばらく呆然と見ていた。女子達は彼のルックスから目を輝かせ、キャッキャと騒いでいた。

確かに彼は一言でいうと、イケメンの類に入る。目は少しタレ目、鼻はスっと通っていて形の整った唇。肌は若干焼けてはいるが白い方だ、明るい茶髪は短めでツンツンしている。

「宇宙君だけだよ。私を心配するの」

「…は?俺は当然の事しただけだぞ?」

「あの人達はそれが分かってないよ。」

宇宙君は空を見る私を悲しそうに見ていた。