まわりからキャーキャーと言われながらも、私は車に乗り込んだ。

龍崎と早乙女は周りの声に応えるように、手を振って微笑んで見せた。
さらに大きな悲鳴が聞こえる。

私は少し怒った様に車から外を見た。
自分でも何を怒っているのか分からない。

早乙女がクスッと笑いながら私の手を握った。
「…恵美様、もしかしたら…妬いていらっしゃるのでは?」

「----はぁ?そ---そんなこと---ありませんよ。」

「ご心配は無用ですよ。私たちは恵美様が一番ですから…」

早乙女に言われると、顔がまた赤くなるのが分かる。
恥ずかしくなり俯いてしまった。

「…恵美様は本当に可愛いですね…」
早乙女はそう言いながら、私の顎を優しく引き上げると頬にチュッと音をさせて口づけた。

もう心臓が爆発寸前とはこのことだと思うほどだった。
なぜ、このイケメン二人は何かあるごとに平気でキスするのだろう。
単なる挨拶なのだろうか?