高校に通えるようになった私は、龍崎と早乙女に学校まで送られることになった。

どちらか一人が送ると言っていたが、初日は二人で来てくれることになった。

校門の近くで車から降りると、龍崎と早乙女が入り口まで送ってくれた。

とても恥ずかしい。
龍崎と早乙女は目立ちすぎる。

友達に見つかったら何を言われるか分からない。

しかし、その姿を友人たちに見られてしまった。

「------------------------め-----めぐ-------恵美!あの超イケメン二人は誰!!」

「…驚くよね…私も良く分からないけど、教育係の執事って言ってたよ。」

「----------------っええええええ---漫画で見たことあるけど----執事って本物もあんなにカッコいいの!!」

その後も友人達からいろいろ聞かれたが、自分自身でもあまり理解できていないため説明はできない。

学校は一日休んだだけなのに、長く休んでいたように錯覚する。
それでも、いつもの通り変わらない授業や、友人たちの顔に安心する。


ただし、いつも通りではないこともある。
「恵美、今日の帰りにさぁ、いつものパフェの店に行かない?」

「…ごめん。帰りも迎えに来てくれるんだ…だから寄り道はできないよ…」


校門を出ると、龍崎と早乙女が車の前に立っていた。
私の帰りを待ってくれている。

横を通る女子高生は、二人を見てキャーキャー言っている。
まるで、アイドルがいるかのようだ。


(ねぇねぇどっちが好み?私は優しそうな右側かな…)

(え---私は大人の色気って感じの左の男がいい!!)

写真を撮ったり、大騒ぎになっている。

(…あれだけ端正な顔でカッコいいからしょうがないけど…目立ちすぎて恥ずかしいよ…)


「…恵美様、お帰りなさいませ…」

龍崎が私の手を取り軽く跪くと、回りから悲鳴が聞こえるほどだった。


「高校生は、皆さんお元気ですね…驚きました…」
龍崎はこの状況をよく理解していないようだ。

「それは、龍崎さん達が…その…カッコいいからじゃないですか?」

「…ほう…私達もまだまだいけますかね?」

「…お二人とも…自分を鏡で見たことありますか?」