「鑑識に、検死をお願いしよう」

「……はい」

 山田の遺体の検死をお願いした。

「もう一人の仲間、確保しました!」

 そしてその時、他の捜査員からもう一人の仲間も確保したと無線が入った。

「こちら強行犯、笹野。了解しました」

 と返事をして、無線を切った。

「笹野、お前ケガしてるじゃないか」

「こんなの掠り傷なので、大丈夫です」

 門野さんはわたしを心配そうな表情で、見つめていた。

「笹野、お前はバカか!」

 そしてその瞬間、わたしの元に近寄ってきた高野さんは、わたしにそう怒鳴り付けてきた。

「……高野さん?」

「お前は無茶し過ぎだ! 本当に撃たれたら、どうするつもりだったんだ!!」

 高野さんがこんなに怒鳴る姿を、わたしは今まで一度も見たことがなかった。
 だから初めてで、ちょっとビックリした。

「……すみません」

 ただ謝ることしか、出来なかった。

「高野さん、そんなに怒鳴らなくても……。笹野は人質に取られていた訳ですし」

 と、門野さんがフォローしてくれたのだけど……。

「だからって、犯人を刺激するようなことを言ったらダメだろ!」