「藤谷、家この辺なのか?」

「…ううん。」

「友達んちの帰り?」

「…ううん…。」

「…??」
不思議そうな様子の将平。

「じゃぁ何してんだ?」

「…迷ったの…。」

「………はぁ!?」

絶対バカにされる…!!

「やべーじゃん!!家どこだ?送る!!」

「え!?」

「だって危ねぇだろ。こんな時間に藤谷みたいな弱そうな女1人で歩いてたら。

「こんな時間って…まだ8時…だよ??」

「十分暗ぇだろーが!!それにさっきみたいな奴らが居たらどうすんだよ!」

さっきみたいな奴らって…自分もじゃん(笑)

「何笑ってんだよ…。」

「な、なんでもない!!」

「いいから後ろ乗れ!」

「え??」

「チャリの後ろ!掴まってれば怖くねーから。」

「…いいの??」

「おう。」

し、失礼しまぁーす…。

「んで、家どこだ?」

「あ、えっと…─────」

「よし!ちゃんと掴まってろよ!」

「う、うん!!」



な、なんか変な感じ…。
あんなに関わりたくないって思ってたのに、普通に話しちゃってるし…。


それになんか…ドキドキしてる…。


竹本くんがかっこいいから…??


ううん。
なんか違う気がする…。


何だろう…。


こんな気持ち…初めて…。