蒼月の約束


「歌ってみろ」


新たな要求が来た。

「え…」

これ以上、自分を辱めないで、なんて怒りで顔を真っ赤にしているドワーフに言える余地もない。


「この宮殿をめちゃくちゃにされたいのか!」


怒り心頭のドワーフの後ろでは、同じ格好をした四人のドワーフたちが、持っている斧を掲げた。


「わ、分かりました…」

王子が何か言う前に、エルミアは首を縦に振った。

エルフとドワーフが戦争状態になったら、責任は取れない。

仕方なく自分の羞恥心を捨て、エルミアは歌い始めた。