大事なもの。 それは一体なんだ。 自分の命に代えても惜しくないほど、凄く大切なもの。 それだけは分かっているのに、それが何なのかが全く思い出せない。 ―…王子― どこからか声が聞こえた気がした。 明るく呼ぶ自分を呼ぶ声。 エルミアか? いや、違う… エルミアは私を王子とは呼ばない。 ―もう、王子!いい加減にしてください!― まただ。 誰だ、一体…。