真夜中近く、扉をトントンと叩く音がしてヘルガは目を覚ました。

隣で寝ていた兄が眠たそうにあくびをするのが分かった。

扉の外にいたのがロダであることが、兄の嬉しそうな声で分かった。

中へと案内しようとする兄をよそにロダは外で話そうと言い張り、ロダがなんのために遅くにやってきたのか分かる術はなかった。

そのまま、ヘルガは再び眠りへとついた。

その日の晩、兄が隣に戻ってくることはなかった。