「ちょ、ちょっと待って。あなたも探してるんじゃないの?なんで、私に情報を…」

エルミアは、前回同様なぜ自分を助けてくれるか、訳が分からないと首を振った。

またレ―ヴの瞳が陰り、声が低くなった。

「僕は、そういうことには興味がない。ただ、一つの目的を達成するだけだ」

しかしパッと顔を上げた時には、既に明るい顔に戻っていた。

「よく覚えておいてね。風の精霊は、冬。土の精霊は、春。火の精霊は、夏」


慌てて書き留めるものがないか探すが、見つかりそうにないので、とりあえず頭の中に留めておく。


「それ以外のヒントは、月の廻りを知る者に聞くのが一番早いかな。君んところの王子なら彼の居場所を知っていると思うよ」


そう言ってすっと立ち上がり、エルミアの頭をポンポンと叩いた

「あまり危険なことはしないようにね」

小動物のような愛らしい微笑みを見せてから、レ―ヴはさっと身をひるがえしてどこかへと消えてしまった。


それと同時に、後ろの方からサーシャが自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。