「と、いうことで改めて、よろしくお願いします」
すがすがしい朝が来て、いつものように朝食の準備をしているエルフ三人に向かってエルミアは頭を下げた。
「何言っているんですか。さ、ご飯にしましょう」
サーシャは何でもない風を装っているが、口元がにやけている。
「ミアさまが残ってくれて、本当に嬉しい!」
ナターシャは、楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねている。
「こら、落ち着きなさい、ナターシャ」
そこでリーシャが叱責する。
この何気ない日常がまた始まって、心から幸せを感じた。
「プラネット・オーシャンについて、また調べないとね」
焼きたてのパンを口に入れながら、エルミアは言った。
「あのね、昨日また思い出したことがあるの。神殿の水盆を見てたらさ…」
エルフたちが一瞬にして興味を持ったのが、空気で分かった。
しかしその時、ドアがノックされグウェンが顔を出したため、そこで会話が終了した。
「朝食が終わり次第、すぐに図書館塔へ」
「はい」
三人が同時に返事をし、エルミアは頷いた。
ふとグウェンの視線が気になった。
怒りに燃えているような、軽蔑しているような、そんな恐ろしい表情をしている。
「あ…」
声をかけようとしたが、グウェンはすぐにドアを閉めて行ってしまった。
しかし、その理由はすぐ知ることになる。

