翌日出勤すると、秘書課のみんなは私が、仮病を使ったとは知らずに、心配の声を掛けてくれた。非常に申し訳ない。
「水越さんが風邪で休むなんて、滅多に、いや、初めてじゃないですか? もっと私がサポートするべきでした。申し訳ありません」
ずる休みをした私に、自己反省ともとれることを言ったのは、やっぱり神原さんだ。彼女は本当に優しく思いやりがある。心が綺麗な彼女を前にして、汚れ切った私の心は申し訳なさでいっぱいになる。
「そんな風に言わないで? 神原さんのせいじゃないんだから。本当に迷惑をおかけしました。ついうたたねしちゃったら、熱が出ちゃっただけなの」
「やっぱり、こき使われすぎなんですよ、社長に」
「無理できない年になったのかしらね」
「ご冗談を」
こんなことを言われてしまって、心配して自宅まで来てくれた社長に申し訳ない。
「昨日は? 大丈夫だったの?」
「部長が予定を伝えに行って、それからは用があれば呼ぶっておっしゃって。でも全く出番なしでした」
そんな気はしていた。近寄り難い雰囲気の社長に、私以外の秘書は拒否をする。さらに、社長は私にしか仕事を頼まない。そんな状態で仕事をしているから、婚期も恋愛も逃すのだ。
自分だけを信頼し、信用して仕事を任せてくれているのはいいけれど、本当に病気になった時が怖い。
私の代わりはいくらでもいる筈なのに、それを思わせない社長が悪いのだ。
顔を出しづらいが、既に仮病と知られているし、言い訳も通用しない状況なのだから、いつも通りに仕事をする。手早く朝の新聞をまとめ、コーヒーを淹れると、社長室に向かった。
「水越さんが風邪で休むなんて、滅多に、いや、初めてじゃないですか? もっと私がサポートするべきでした。申し訳ありません」
ずる休みをした私に、自己反省ともとれることを言ったのは、やっぱり神原さんだ。彼女は本当に優しく思いやりがある。心が綺麗な彼女を前にして、汚れ切った私の心は申し訳なさでいっぱいになる。
「そんな風に言わないで? 神原さんのせいじゃないんだから。本当に迷惑をおかけしました。ついうたたねしちゃったら、熱が出ちゃっただけなの」
「やっぱり、こき使われすぎなんですよ、社長に」
「無理できない年になったのかしらね」
「ご冗談を」
こんなことを言われてしまって、心配して自宅まで来てくれた社長に申し訳ない。
「昨日は? 大丈夫だったの?」
「部長が予定を伝えに行って、それからは用があれば呼ぶっておっしゃって。でも全く出番なしでした」
そんな気はしていた。近寄り難い雰囲気の社長に、私以外の秘書は拒否をする。さらに、社長は私にしか仕事を頼まない。そんな状態で仕事をしているから、婚期も恋愛も逃すのだ。
自分だけを信頼し、信用して仕事を任せてくれているのはいいけれど、本当に病気になった時が怖い。
私の代わりはいくらでもいる筈なのに、それを思わせない社長が悪いのだ。
顔を出しづらいが、既に仮病と知られているし、言い訳も通用しない状況なのだから、いつも通りに仕事をする。手早く朝の新聞をまとめ、コーヒーを淹れると、社長室に向かった。



