アメリカからのゲストが揃って、楽しい園遊会は、緊張感のある会になっていた。
いつものように楽しくとはいかないようだ。
ゲストと社長、取締役たちに視線を向け、社員達は何かを話しているようだが、それも仕方がないことで、ファイブスターにとっても共同開発をするチームの来日ともなれば、気になるのは当たり前のことだ。
「お飲み物が足らなくなってきているから、お願い」
「分かりました」
秘書課はコンパニオンのようにせわしなく動いて、失礼のないように細心の注意を払っていた。
「社長」
「ん」
「そろそろ、社員達のかくし芸が始まる様です」
「そうか」
社長がゲストを誘い、場所を移動する。ぞろぞろと御一行様がステージのある場所へ移動する。
確保していた席に座ると、司会が進行を始めた。
「気軽に披露できなくなりますよね」
「そうね」
宴会の一発芸的な軽い物だったはずなのに、一転してオーディションのような感じになってしまった。出場する社員たちだって、こんなはずじゃなかったと、思っているに違いない。
「お飲み物と何かおつまみでも」
「分かりました」
邪魔をしないようにと、私達は少し離れた所から様子を見ている。
「お腹が空きましたね」
「ほんと。こんなはずじゃなかったのにね」
「そうですよね、今頃テーブルに食事が並んで、大盛り上がりだったはずなのに……」
「部長に料理をお願いしましたけど、大丈夫ですかね」
「そこは抜かりないわよ」
みんなお腹が空いて、お腹を摩っている。交代で休憩はしているけど、喉を潤したりトイレに行ったりするくらいで、休憩とはいえない。
そんな調子で舞台を見ていると、ひとりの女の人が社長に向かって歩いていた。
「誰?」
「誰です?」
「知りません」
一体誰なのだろう? 雰囲気からして、働いているようには見えず、取引先関係では見たことがない顔だ。にこやかに笑って社長に声をかけると、社長は立ち上がって言葉を交わしていた。
私の心臓は感じたことがないような鼓動を打ち始めた。嫌な予兆があることを、女の勘が働いた。
そんなとき、会長秘書の並木さんが休憩から戻って来た。
「どうしました? なんだか深刻な顔してますけど?」
「アレ……」
令嬢の方を顎でしゃくって見せた。
「ああ……」
「並木さん、知ってるの?」
「ええ、頭取のご令嬢で、社長のお見合い相手です」
「え……?」
いつものように楽しくとはいかないようだ。
ゲストと社長、取締役たちに視線を向け、社員達は何かを話しているようだが、それも仕方がないことで、ファイブスターにとっても共同開発をするチームの来日ともなれば、気になるのは当たり前のことだ。
「お飲み物が足らなくなってきているから、お願い」
「分かりました」
秘書課はコンパニオンのようにせわしなく動いて、失礼のないように細心の注意を払っていた。
「社長」
「ん」
「そろそろ、社員達のかくし芸が始まる様です」
「そうか」
社長がゲストを誘い、場所を移動する。ぞろぞろと御一行様がステージのある場所へ移動する。
確保していた席に座ると、司会が進行を始めた。
「気軽に披露できなくなりますよね」
「そうね」
宴会の一発芸的な軽い物だったはずなのに、一転してオーディションのような感じになってしまった。出場する社員たちだって、こんなはずじゃなかったと、思っているに違いない。
「お飲み物と何かおつまみでも」
「分かりました」
邪魔をしないようにと、私達は少し離れた所から様子を見ている。
「お腹が空きましたね」
「ほんと。こんなはずじゃなかったのにね」
「そうですよね、今頃テーブルに食事が並んで、大盛り上がりだったはずなのに……」
「部長に料理をお願いしましたけど、大丈夫ですかね」
「そこは抜かりないわよ」
みんなお腹が空いて、お腹を摩っている。交代で休憩はしているけど、喉を潤したりトイレに行ったりするくらいで、休憩とはいえない。
そんな調子で舞台を見ていると、ひとりの女の人が社長に向かって歩いていた。
「誰?」
「誰です?」
「知りません」
一体誰なのだろう? 雰囲気からして、働いているようには見えず、取引先関係では見たことがない顔だ。にこやかに笑って社長に声をかけると、社長は立ち上がって言葉を交わしていた。
私の心臓は感じたことがないような鼓動を打ち始めた。嫌な予兆があることを、女の勘が働いた。
そんなとき、会長秘書の並木さんが休憩から戻って来た。
「どうしました? なんだか深刻な顔してますけど?」
「アレ……」
令嬢の方を顎でしゃくって見せた。
「ああ……」
「並木さん、知ってるの?」
「ええ、頭取のご令嬢で、社長のお見合い相手です」
「え……?」



