【あかねいろ】 Endless_eternal_Lovers(短編集①)

【無意識】
達也は、泊めてもらったお礼といってはなんだが、午前中、喫茶店の手伝いや、老婆の病院に付き添ったりと、”息子”を演じて過ごした。午後になり、マスターから借りた車に乗り、カーステレオから流れる ”昭和歌謡”を聞きながら、海沿いの”見馴れた道”を30分ほど進み、たどり着いた長岡の街……。

そう、何をかくそう、ここは達也と麻美が知り合った街だった。

二人は学生時代、長岡大学にかよい、お互い恋におちたのだった。

達也は、想い出を地を辿るかのように、まずは大学へ向かった。

少し?……いや、だいぶ変わったか?真新しくなった校景をみて、時の過ぎ行くままに、時代を切に感じた。
互いに、授業の終りを待ったあの木製の”二人掛け”ベンチも、今は、鉄製の”四人掛け”に変わっていた………。

達也は大学を出て、暇さえあれば行った県営のスキー場、そして麻美の住んでいたテラスハウスと、無意識のうちに、想い出を巡っていた。

郷土資料館に着いた頃にはもう、夕方にむけて日がほんのすこしだけ西に傾き、 影が先程より長くなったように感じた。