【あかねいろ】 Endless_eternal_Lovers(短編集①)

【骨髄移植】
達也が呟く。
「ワンピース、むぎわら帽子、それは………最初の誕生日に麻美に、せがまれてプレゼントしたものなんだ……」

すべてを知った老婆は、

「お嬢ちゃん、ねえ、来てるかい、ほら、おまえさんの願いが今、目の前に現実になったんだよ。よかったね……」

語りかけるように、海辺を見つめる写真……そう、老夫婦にとっての”遺影”をそっと抱きしめた。

「たっちゃん、あーちゃんはね、昨年の”8月3日”はね、まだ、それほど病気は悪化してはなくてね。
どうしてもあーちゃんが行きたいっていうから、外出許可を取ったの。」

ふと見ると、少し疲れたのか、老婆は ”遺影”を抱えたまま、 うたた寝していた。

「戻ってきたあーちゃんはわたしにね、にこにこしながら、あったことの全てをはしゃぎながら話してくれてね。」

由美姉は、思い返すように、ゆっくりと話す。

「そしたらね、来年も必ず行く、だから負けない、必ず行けるように治療頑張るから…てね」