【妖精】
落ち着きを取り計らった由美姉の静かな笑顔に、 三人とも、麻美の面影を 改めて見た。
「のちに麻美がね、8月3日の”意味”を伝えてきてね。」
「お姉さん、いったい何の日だったんだい?わしらも聞くにきけなくての〜」
マスターが、間髪を入れずに問い掛けた。
「あの子、お二人に伝えてなかったんですか……」
由美姉は、冷めてしまった紅茶を一口運んだ。
「ねぇ、たっちゃん、気づいてるよね……」
そういうと、由美姉はあえて達也の口から、マスターへの解答を求めた。
「その日は麻美の誕生日……それよりも、プロポーズしたあの夏の日、夕日が沈むあの浜辺で………」
達也は、誕生日以外、今の今まで気づいていなかった。だが、 献身的な彼女が、改めて 思い浮かんだ。思わず、 溢れる哀しみと罪悪感に襲われた。
「ああ………そうだったの…かい………」
マスターは、はっきりとあの日の”麻美”が脳裏に浮かんでいた。
レンズ越しに見ることができた、明るく優しさに満ちた満面な笑顔、半面、哀しみの見え隠れするシリアスな横顔、それは愛を待ち続けたありのままの妖精と、愛をなくしかけたありのままの妖精………それぞれかわることのない唯一は、達也を思い続ける”麻美”であった。
落ち着きを取り計らった由美姉の静かな笑顔に、 三人とも、麻美の面影を 改めて見た。
「のちに麻美がね、8月3日の”意味”を伝えてきてね。」
「お姉さん、いったい何の日だったんだい?わしらも聞くにきけなくての〜」
マスターが、間髪を入れずに問い掛けた。
「あの子、お二人に伝えてなかったんですか……」
由美姉は、冷めてしまった紅茶を一口運んだ。
「ねぇ、たっちゃん、気づいてるよね……」
そういうと、由美姉はあえて達也の口から、マスターへの解答を求めた。
「その日は麻美の誕生日……それよりも、プロポーズしたあの夏の日、夕日が沈むあの浜辺で………」
達也は、誕生日以外、今の今まで気づいていなかった。だが、 献身的な彼女が、改めて 思い浮かんだ。思わず、 溢れる哀しみと罪悪感に襲われた。
「ああ………そうだったの…かい………」
マスターは、はっきりとあの日の”麻美”が脳裏に浮かんでいた。
レンズ越しに見ることができた、明るく優しさに満ちた満面な笑顔、半面、哀しみの見え隠れするシリアスな横顔、それは愛を待ち続けたありのままの妖精と、愛をなくしかけたありのままの妖精………それぞれかわることのない唯一は、達也を思い続ける”麻美”であった。


